架橋剤(かきょうざい)
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架橋剤とは鎖状高分子を橋かけ構造に形成させるために必要な添加物質のこと。
化学反応における架橋とは、主に高分子化学においてポリマー同士を連結し、物理的、化学的性質を変化させる反応のことです。
具体的には、自動車等のタイヤは柔らかく弾力性の小さいイソプレンポリマーに対して硫黄による架橋を行うことで製造されており、エポキシ系接着剤もエピクロロヒドリンによる架橋を利用している。
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加水分解(かすいぶんかい)
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この場合の加水分解とは、ウレタン製品素材であるエステルに水が反応し、分解生成物を作ってしまう反応のことです。
科学的には空気中の水分子 とエステル基が反応し、分子そのものがカルボン酸とアルコールに分解する現象です。
具体的には経年劣化したゴム製品がベタベタになる現象です。
(古くなった自転車のグリップがベタベタになる”アレ”です)
科学的に説明すると、エステル系は結合分子内に-COO-を持っており、これはH2O と反応して-COOH(酸)と-OH(アルコール)に 分解されやすいということになります。
研究の進んだ昨今ではカプロラクトンエステル(-OC-(CH2)5-O-)を使用すると従来のエステル系(-C00- (CH2)4-COOH)と比較して耐水性が改善されることが確認されており、エステルの特性(強さ)が求められる製品の場合、特別に湿潤状態がひどくない利用環境下ならば使用されており、現実に上記の問題は起こらないようです。
ちなみにエーテル系ウレタンゴムはエステル基が無いため、加水分解は起こりません。
エーテル系は結合分子内に-O-を持っており、これはH2O(水)に影響されない為です。
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可塑剤(かそざい)
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可塑剤は熱可塑性合成樹脂に添加して柔軟性や対候性を改良する薬品の総称。
樹脂の隙間に入り込むことで樹脂が分子レベルで規則正しく並ぶことを阻害し、ガラス転移点以下でもアモルファス状態(非結晶状態)を維持する。
可塑とは「柔らかく形を変えやすい」という意味だが、熱可塑性樹脂にはガラス転移点温度があり、この温度から融点までの温度帯で分子配列はアモルファス状態になる。
アモルファス状態の熱可塑性樹脂は柔軟性があり、透明度が高く、樹脂の特性を生かした製品を作りやすくなる。
尚、融点やガラス転移点は樹脂の種類と重合度で決まるので、製品の希望特性に応じ、可塑剤を添加することで希望の温度特性や物理特性を持った製品を完成することが出来るようになる。
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ウレタンゴムの強さ
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以下、他ゴムとの強度比較表になります。
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ウレタンゴム(U) |
20〜45 |
天然ゴム(NR) |
3〜35 |
二トリルブタジエンゴム(NBR) |
5〜25 |
クロロプレンゴム(CR |
5〜25 |
シリコンゴム(Q) |
3〜12 |
フッ素ゴム(FKM) |
7〜20 |
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ミラブルとは
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ゴム業界では一般的にロール練り可能なポリマーと言う意味で使用される。
例えばウレタンゴムはポリマーの形態により加工方法が異る。
* 液状ウレタン(キャスティングタイプ)
* 熱可塑性ウレタン
* ミラブルウレタン(ロール練りタイプ)
同じウレタンゴムでもポリマーの形態、加工方法が異なるため、区別するためにロール練りが可能なウレタンゴムをミラブルタイプと表現する。
また、ミラブルタイプの原料ゴムを使用して製造した「加硫ゴム」に適用されることもある。
参考までに
ウレタンゴムの他にシリコーンゴムにも下記の種類がある。
* RTVシリコン(常温加硫型シリコン)/液状、グリス状
* LTV(低温加硫型シリコン)/液状、グリス状
* LSRシリコン(液状シリコン)/液状、グリス状
* ミラブルシリコーン(ロール練り)
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