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 ウエルド問題
  
樹脂製品を生産する者にとって最大の敵は”気泡”と”ウエルド”です。

気泡は単純に空気のアワが混入してしまうことですから、真空脱泡など様々な対策方法があり、それほど深刻な問題ではありませんが、”ウエルド”は物理的に完全除去不能でやっかいな相手です。

ここではこの難敵「ウエルド」が何者であるのか明らかにしながら、退治する取り組みを記録していきます。


ウエルドとは

射出成形において金型内で溶融樹脂の流れが合流して融着した部分に細い線が発生する現象を言い、融着不良によって外観を損ねたり、機械的特性を著しく低下させるなど、その製品の機能を損ねるような問題を発生させる場合があります。

成形品に中空部などを形成するために金型にピンやコアなどを設けると、その部分を溶融樹脂が回り込んだ後に再び合流してウエルドラインが発生します。

ウエルドラインとは、2つ以上のフローフロント(流動先端部)が会合した場所に発生する Vノッチ状の糸状の細い線状痕を言います。

ちなみにゲートを2個以上設ける必要がある場合には、ウエルドラインは絶対に発生し、物理的な解決法もないため出来る限り最小に止める、あるいは商品面から側面に移すなど工夫して対処するしかありません。

また、材料の樹脂そのものに水分や揮発成分が多く含まれている場合、エネルギー潤滑剤の配合バランスが崩れて流動性が低下し、エネルギー固化速度が速まり、結果としてウエルドを発生させることもあります。



これらの問題を改善するには

(1)溶融樹脂および金型温度を高くする

(2)射出圧力および射出速度を上げる
 
(3)エネルギーゲートの位置,数,大きさなどを調整する。

(4)ウエルド発生面を商品面から側面に移す。

 * ウエルドラインを軽減させる為、成形環境を調整します。

・樹脂温度  ⇒ 高く

・金型温度  ⇒ 高く

・射出速度  ⇒ 遅く
※速度を速くすると目立たなくなるが(深さは減少)長さは増加する傾向にある。

・保持圧力  ⇒ 高く ※ウエルド上Vノッチの圧縮効果により目立ちにくくなる




 
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